展示を彩る音たち – 個展のBGM紹介–
写真展の空間をつくる上で、欠かせない存在が「音楽」でした。
写真だけでなく、そこに流れる音や空気感まで含めて、空間すべてがひとつの作品になるようにと毎年構成しています。
とくに、自分の誕生日である7月に開催している個展は、わたしにとって一年の節目。
展示ごとのテーマや想いを音でも表現するために、BGMの作曲はRhythmlaboのAbbeyさんにお願いし、オリジナルで制作しています。
展示空間にそっと寄り添う、やさしくてあたたかい音たち。
音楽が流れることで、写真や言葉がより深く届くような空間になると感じています。
このページでは、これまでの展示ごとのBGMや楽曲を、テーマとともにご紹介しています。
もし気になる音があれば、あなたの日常にもそっと取り入れていただけたら嬉しいです。
📸 2018年 個展「日常の落とし物」より
日々の中に落ちている、小さくておかしなこと。
忘れそうな落とし物を見つけて写真におさめました。
私の写真で何気ないいつもの毎日が、特別な日になってくれたら嬉しいです。
☁️2019年 個展「13.9℃」より
あなたにとっての”幸せ”とは?
人は誰しも、“幸せでありたい”と願って生きています。
でもその「幸せ」って、具体的にはどういうことなのでしょう?
美味しいご飯を食べること
好きな服を着ること
お金がたくさんあること
広いお家に住むこと
家族が仲良しなこと
大好きな人と一緒にいること
幸せの定義は人それぞれ。
でもどんな形であれ、共通しているのは、その瞬間、心がぽかぽかとあたたかくなること。
そして、その人のあたたかさに触れて、自分の心まであたたかくなるような感覚。
「それって一体、何なんだろう?」
そんな問いから、この年の展示テーマを“幸せ”にしようと決めました。
テーマ【13.9℃】
この「13.9℃」という温度は、「人間がもっとも幸福を感じる気温」なんだとか。
(2011年に大阪大学が発表した論文によるものです)
人が“幸せ”を感じる出来事はさまざま。
でもそのひとつひとつの中には、ふんわりとしたあたたかい空気がある気がしていて——
そんなことを考えていたときに、出会ったこの数字。
【13.9℃】は、わたしの中で「幸せ」の象徴のように感じられました。
だからこそ、この年の個展のタイトルに選びました。
あなたにとっての幸せのカタチとは。
あなたにとっての幸せの温度とは。
🌱2024年 個展「やさしさの種まき」より
目の前の存在に、やさしい気持ちでそっと向き合ってみる。
すると不思議と、そのやさしさがじんわり返ってくる感覚がありませんか?
言葉にしなくても、表情やまなざしのなかに、「伝わった」って感じられる瞬間がある。
そんな時間って、お互いがお互いを大切にしあっているんだなあと感じるのです。
わたしが日々の中で拾い集めてきた、見えないけれど確かにそこにある“やさしさ”。
この展示では、わたしの中にずっと大切にしまっていた【やさしさの種】を、たくさんちりばめています。
その種が、誰かの心にふと触れて、また次の誰かへと渡っていったなら——。
ひとりからひとりへ。
そのひとりから、またたくさんの人へ。
そんな風に、やさしさのバトンが少しずつ広がっていくことで、世界はもっとあたたかく、やわらかくなっていくんじゃないかなと思うのです。
もしなにか、あなたの心に残るものがあったなら。
今日でも明日でも、その瞬間に思い浮かんだ大切な存在へ、やさしさの種を、そっと手渡してみてください。
あなたとあなたの大切な人に
あたたかい気持ちがおとずれますように。